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長期的な副作用は否定できなくてもワクチン接種は受けるべきか(Newsweek 日本語版より)

期的な副作用は否定できなくてもワクチン接種は受けるべきか 2020 年 12 月 4 日 (Newsweek 日本語版) <コロナに感染する方が死ぬリスクは高く、多くの人がワクチン接種を受けるほど早く集団 免疫を獲得して元の日常に戻れる?> 新型コロナウイルスのワクチンは稀に長期的な副作用が出る可能性があり、それが明らかに なるのは数百万もの人々が接種を受けた後かもしれない――複数の専門家が、本誌にこう語 った。それでも、世界で 140 万人の死者を出し、今も多くの国で猛威を振るっているウイル スに対抗する免疫を獲得することには、リスクを遥かに上回る利点があるというのだが。 【カシュミラ・ガンダー】 現在、欧米ではファイザー/ビオンテックと、モデルナ、アストラゼネカが開発しているワ クチンが最も有望視されている。 第 3 相の治験では、ファイザー/ビオンテックとモデルナのワクチンに 95%以上の予防効果 が認められ、アストラゼナカのワクチンについては、2 回とも全量を投与した場合に 62%の 有効性、1 回目に半量、2 回目に全量を投与した場合に 90%の有効性が確認された。 12 月 2 日には、イギリスが西側諸国で初めて新型コロナウイルスのワクチンをスピード承 認。規制当局が独立調査を行い、ファイザーとビオンテックが共同開発したワクチンにゴー サインを出した。 英政府は来週の前半から、重症化リスクの高いグループを対象としたワクチン接種を開始し たい考えだ。 アメリカでは、ファイザーとモデルナが米食品医薬品局(FDA)にワクチンの緊急使用許可を 申請。年内に出荷が始まる可能性があると期待されている。 <有望ワクチンの副作用は?> ワクチンの副作用は、数日で消失する軽い症状や腕の痛みといった軽いものか、アレルギー や自己免疫疾患のような重篤なものの 2 種類に分かれる。 一般に、多くの副作用は予防接種 を受けてから 2 カ月以内に出現する。 従って、新型コロナウイルスワクチンに重篤な副作用があれば、これまでの治験で症状が出 ている可能性が高いと専門家は本誌に語った。 モデルナのワクチンの場合、短期的な副作用としては予防接種時の痛み、倦怠感、筋肉や関 節の痛み、頭痛などが確認されている。 ファイザー/ビオンテックは、よくみられる副作用として倦怠感と頭痛が報告されており、 アストラゼネカのワクチンはモデルナやファイザーと同様の副作用に加えて、熱っぽさを感 じる場合があるという。 いずれも、体の免疫反応を起こしていることを示す、歓迎すべき兆候だ。 <長期的またはごく稀な副作用は?> 2 専門家によれば、何百万もの人々がワクチン接種を受けた後に、長期的な副作用や稀な副作 用が出現する可能性もある。ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生学大学院国際ワクチンアク セスセンターのウィリアム・モス所長は、そうした副作用は、FDA をはじめとする保健当局 がワクチンを承認する時点では分からないと指摘する。 <集団免疫獲得のために> 科学者やワクチンの製造元、政府当局は、ワクチン接種が始まった後もどのような副作用が 出現するか監視を続けなければならない。 バラク・オバマ前大統領の下で保健担当次官補を務め、現在はハーバード大学公衆衛生学大 学院で教授を務めるハワード・K・コーは、「どんなワクチンも、信用性を確保するためには 監視とその結果報告がきわめて重要だ」と述べた。 しかし本質的に、稀な副作用はまさに「稀なもの」だと、ラホヤ免疫研究所感染症・ワクチ ン研究センターのアレッサンドロ・セッティ教授は指摘する。 問題が出現した時に、原因がワクチンなのか、それともその人が発症した別の病気なのかを 特定するのが難しい可能性もある。 「健康に悪影響が出た場合、その一部は偶然で、ワクチンとは関係ない可能性もある」と、 カリフォルニア大学サンフランシスコ校の感染症専門家であるピーター・チンホン教授は言 う。 ワクチンは健康な人の体内に入れるものであるため、承認にあたっては、薬などよりも厳し い安全基準が設定されている。 英レディング大学薬学部のアル・エドワーズ准教授は言う。「『未知の不確定要素』はあ り、想定外のことが起こる可能性もある。だが一般に、今のワクチンはこれまで以上に安全 だ。組成、保管、流通と管理のどの段階においても清潔で管理が行き届き、純度の高いワク チンをつくる製造能力が格段に向上しているからだ」 <副作用より感染の方が高リスク> 本誌の取材に応じた専門家たちは、新型コロナウイルスのワクチン接種には、潜在的なリス クを遥かに上回る利点があると語った。 ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生学大学院のモスは、次のように語る。「アメリカはまだ 感染拡大を抑制することができていない。感染すれば死ぬ可能性もあるのだから、チャンス があればすぐにでもワクチン接種を受けるのが賢明だろう。感染リスクや重症化リスクが高 い人々にとっては特に、リスクを上回る利点があると思う」 サウスカロライナ大学の免疫学 者プラカシュ・ナガルカッティ教授も、同じような考えだ。 「特に重症化リスクが高い人は、できる限りはやくワクチン接種を受けるべきだし、ワクチン接種を受ける人が多いほど、集団免疫が達成されやすくなり、新型コロナウイルス感染症 を撲滅して普通の生活に戻れる可能性が高まる」

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